開襟シャツ&昭和エッセイ シュガ・プラム・フェアリ  
 
 エッセイ
  当サイトでは気ままに60年代以降の昭和の思い出をエッセイとして綴っています。記憶違いや思い込
 み、うろ覚えで書いたものもあります。ご理解いただいたうえ、お読みいただければと思います。また、
 このような性質のエッセイですので、記述に誤り等ございましたらBBSでご指摘いただけると幸いです。
  シャザーンとハクション「大魔王」 ’60s
 私が小学校高学年だった1960年代後半、アメリカのアニメーションが数多くテレビで放映されていた。以前「キング・コング」で扱われていた「キング・コング」や「001/7親ゆびトム」をはじめ、「少年シンドバッド」「スーパー・スリー」「宇宙怪人ゴースト」「宇宙忍者ゴームズ」「チキチキマシン猛レース」「ラムヂーちゃん」「弱虫クルッパー」など印象に残っているものがたくさんある。その中で最も印象的な作品の1つが「大魔王シャザーン」だった。

シャザーンとチャック、ナンシー、ブービー

 「大魔王シャザーン」はチャックとナンシーという双子の兄妹が、洞窟でたまたま見つけた不思議な指輪の力で大昔のアラビアにタイム・スリップしてしまう。この指輪、ギザギザに2つに分かれていて、チャックとナンシーがそれぞれの指にはめている。この2つの指輪のギザギザを合わせて「出てこい、シャザーン!」と叫ぶと大魔王シャザーンが、「ハイハイサー、ご主人様」と言いながら出現するのだ。シャザーンは2人に空飛ぶラクダ、ブービーを与え、2人が窮地に陥ると彼らを助けにやって来る。チャックとナンシーは現代に戻れる手がかりを追って、ブービーとともに旅を続ける…… そんなお話だった。

 物語もさることながら、そのテーマ・ソングも妙に記憶に残るものだった。なんともエスニックなイントロから始まる、「♪轟け、轟け、稲妻ゴー、ゴー 出てこい、シャザーン! 大魔王シャザーン」って歌。途中でシャザーンの声(小林清志)が「ホホホッ、ホホホホホー!」と登場する。なんとも物語そのものが眼に浮かぶような歌の作りになっていた。
 頼れる存在というのがまさにシャザーンで、この大魔王に対して私は大きな信頼感を寄せていたのを覚えている。「パパラパー」と呪文を唱えると、魔法ですべての困難が消え失せてしまう。そんな訳で、「大魔王シャザーン」は大好きなキャラクターの1つだったのである。
 余談ではあるが、このシャザーン、そもそもはアメリカのハンナ・バーべラ製作ということだが、アニメーションを担当したのは東映動画だったらしい。アニメを作らせるなら日本がいい、ってことだったのだろうか?
 そんな頃、しばらくして今度は日本の作品「ハクション大魔王」が始まった。同じキーワード「大魔王」がついているが、こちらはタツノコ・プロ制作の楽しいいわゆるギャグ・アニメ。「シャザーン」と同じものを求めはしなかったものの、ちょっと類似性を期待してしまった。
 「ハクション大魔王」は今でもキャラクターとして生き続けているので、ご存じの方も多いことだろう。こちらは大魔王出現のツールが指輪じゃなくてクシャミ。クシャミをした人間が「ご主人様」となる設定で、カンちゃんという男の子が屋根裏部屋で見つけた壺からハクション大魔王が現われ、さまざまな騒動を引き起こすというストーリー。
 魔王とカンちゃん、ブル公 
 出現の言葉は「ハイハイサー」じゃなく「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」で、これが大平透のおどけた声で発せられるだけで笑いを誘う設定だった。髭面、尖った耳や、コスチューム的にも裾の広がったパンツにカマーバンド風のベルト。タイム・スリップのようなシリアスな設定はないものの、それでもやはり「シャザーン」を思い出させる。
 しかし、「シャザーン」とはタッチのまったく違うアニメで、これはこれで楽しい作品だった。娘のアクビちゃん(こちらはあくびをすると出現)もチャーミングで、父である魔王を「おとたま」と呼ぶのが可愛らしかった。
ハンバーグ大魔王  未だに「ハンバーグ大魔王」(そう言えば魔王の好物はハンバーグだった!)なんていう、ハクション大魔王をショップ・キャラクターにしたハンバーグ・レストランもあるくらいで、人気の衰えない魔王である。「アラビアン・ナイト」の「アラジンと魔法のランプ」からヒントを得て作られたというが、私には「シャザーン」からインスパイアされた部分が大きいのではないかと、今でも思っているのだが……。 
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