開襟シャツ&昭和エッセイ シュガ・プラム・フェアリ  
 
 エッセイ
  当サイトでは気ままに60年代以降の昭和の思い出をエッセイとして綴っています。記憶違いや思い込
 み、うろ覚えで書いたものもあります。ご理解いただいたうえ、お読みいただければと思います。また、
 このような性質のエッセイですので、記述に誤り等ございましたらBBSでご指摘いただけると幸いです。
  すかいらーく  ’70s

 ファミリー・レストランすかいらーくが世間から姿を消したそうである。なんでも、時代のニーズに合わなくなったとかなんとか。これだけファミレスが氾濫していれば、消えていく店があってもそれはいたしかたないことではある。もっとも今までのすかいらーくは、ガストやグラッチェガーデンズなどの同系統のファミレスに形を変えるだけなので、会社自体が消滅してしまうわけではない。ますます儲かるようにとの経営判断があってのことに違いない。

すかいらーくの不細工ひばり

 すかいらーくは70年代初頭から展開を始めた日本のファミリー・レストランのパイオニアだった。その後これを追うようにしてデニーズができ始めたが、こちらはアメリカのレストランとの提携店。私の記憶、というか意識の中では、当初ファミレスといえばこの2つの店舗以外思い浮かばないほど勢力を拡大していた。
 私が初めてファミリー・レストランというものに足を踏み入れたのは、大学に入った75年頃だったと思う。なぜそう思うかというと、自分で車を運転するようになってからでないとファミレスに入るはずがないからだ。なにしろファミレスは郊外型店舗であるから……。
 その時に入った店がすかいらーく(当時はスカイラーク、とカタカナ表記だったと思う)。不細工な鳥(ひばり?)のマークが印象的だった。友だちとドライヴしていて、空腹を覚えて入ることにしたのだ。しかし当時、学生だった私たちには、おしゃれで立派な店構えのすかいらーくに入るにはちょっと勇気が必要だった。「学生の身分で払える金額なのかな?」「きっと高いんじゃないの?」とか、いろいろ考えてしまうほど素敵なレストランに思えたのだ。いや、当時はあのクラスの規模とデザインの施されたレストランというのは、高級に決まっていたのだ。躊躇の末決意して、私たちはすかいらーくのドアを開けた。そして、それ以降頻繁にファミレスを利用するようになった。ファミレスがリーズナブルな価格設定をしていることがわかったからである。
 当時のすかいらーくは、なんといってもハンバーグがウリだった。ハンバーグに黄身が半熟の目玉焼きが乗っかっていて、この黄身をどのタイミングでくずすかを計算しながら食べたものだ。マクドナルドのハンバーガーは既にあったものの当時ハンバーグといえば、マルシンのインスタントのようなものが多く、今のようにステーキ・ハウスもなかったので、すかいらーくのハンバーグは実にうまかった(これは今のガストにもメニューとして残っていると思う)。おまけに安いときているので、仲間と「すかいらーくにハンバーグを食べにいこう!」と、よく出かけたものだ。それと、チキン・ガーリック・ステーキ。これもガーリック・ソースの味が、カリッと焼かれたチキンによくあって、私の定番メニューとなった。その後、和食を含めたバラエティのある商品が出されるようになったが、私はしばらくの間専らこれらの安くてうまいメニューを注文していた。そういえば、一時期イエスタデイという店名の高級すかいらーく店舗がお目見えした時期があった。店構えがさらにおしゃれになって、いかにもアメリカンな感じで居心地もよかったのだが、いつしかなくなってしっまった。
デニーズ日米看板   一方のデニーズは、卵料理がウリだった。いかにもアメリカ的な雰囲気で、初めて入った時はなんとなく異国のレストランに足を踏み入れたようでワクワクした。定番の飲みものは大きなカップになみなみと注がれたアメリカン・コーヒー。卵料理のバリエーションも豊富で、確か1020種類の焼き方から好みのものを提供してくれた(ちなみに私は和風オムレツにしてもらうのが好きだった。ちっともアメリカンじゃないが……)。まあ、元がアメリカのレストランだから当たり前なのだろうが、私がアメリカ旅行した時立ち寄ったDenny'sとほとんど同じだった。日本では(未だに)、客が入店すると店員が「デニーズへようこそ!」と元気な声をかけてくれるが、アメリカで
もまったく同じで「Welcome to Denny's!」と愛想のいい声がかかる。1つ違うのはウェイトレスにチップを払うか払わないか。アメリカのウェイトレスたちの(特に日本人のお客に対する)愛想がいいのは、あとでもらえるチップの額を期待しているからに決まってる! ……とは思っても、金髪の女の子にニコッとされるのは悪い気はしなかった。
 その後ファミレス・ブームが訪れて、ロイヤルホスト、ココス、アンナミラーズ、ジョナサン、サンデイサン等の同系統の洋食系から藍屋、華屋与兵衛、とんでん、さと等の和食系、ビッグボーイ、シズラ―、フォルクス、どん、びっくりドンキー等のステーキ・ハウス系、サイゼリヤ、ジョリーパスタ等のイタリアン系、それに中華のバーミヤンと、あらゆる種類のファミレスが登場し、今日に至っている。これらに老舗のすかいらーくの流れを汲むガストとデニーズを加えて、皆それぞれにオリジナリティを出しながら展開している。しかし、あまりにファミレスが増えたしまったために、昔のように決定的な特色が出ていないようにも感じてしまう。すかいらーくのハンバーグやデニーズの卵料理…… うまかったなぁ。
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