開襟シャツ&昭和エッセイ シュガ・プラム・フェアリ  
 
 エッセイ
  当サイトでは気ままに60年代以降の昭和の思い出をエッセイとして綴っています。記憶違いや思い込
 み、うろ覚えで書いたものもあります。ご理解いただいたうえ、お読みいただければと思います。また、
 このような性質のエッセイですので、記述に誤り等ございましたらBBSでご指摘いただけると幸いです。
  エロイム・エッサイム!  ’60s
 有名な「ゲゲゲの鬼太郎」は、今でもアニメ化されたり実写版の映画が製作されたりしているが、水木しげる作品は'60年代から実写・アニメとも取り上げられていた。その第一号がテレビ・ドラマ「悪魔くん」だった。「鬼太郎」がアニメになったのはこのあと2年ほどしてからで、当時は「ゲゲゲ〜」ではなく「墓場の鬼太郎」というタイトルだったように記憶している。「悪魔くん」が放映されたのが66年ということなので、この手の特撮テレビ番組としてはかなり初期のものだったのだと、今さらながら驚いてしまった。円谷プ 悪魔くん
メフィスト!
のウルトラ・シリーズ第一作「ウルトラQ」が'66年の初頭から放映され始めたことを思うと、この作品は特撮テレビの草分け的存在のひとつだったということになる。
悪魔くん  「悪魔くん」は、確かゲーテの「ファウスト」からヒントを得て描かれたもので、登場人物も、ファウスト博士や悪魔のメフィストが出てきて、当時子供心に奥が深い作品なんだなあと感じたものである。物語は、ファウスト博士の示唆によって悪魔くんがメフィストを従えて妖怪退治をしていくというものだった。悪魔くんが魔方陣なるものに向かって「エロイム・エッサイム、エロイム・エッサイム! 我は求め訴えたり!」と呪文を唱えると、ぐうたら悪魔のメフィストが現れる。しかしメフィストは、なかなか悪魔くんの言うことをきかない。この悪魔を服従させるための手段として「ソロモンの笛」がある。悪魔くんがこの笛を吹くと、メフィストの頭の
角から煙が出て、彼は頭を抱えて少年の命令に従わざるを得なくなるのである。もっともこの笛、どう見てもオカリナにしか見えなかったが……。しかし、この少年と悪魔との関係性だけを取り上げてもおもしろい設定だった。
 悪魔くんには金子光伸という子役がキャスティングされていた。なかなかのハンサム・ボーイで、舌足らずのセリフ回しが印象的だった。金子はこの「悪魔くん」のあと、横山光輝原作の「ジャイアント・ロボ」の主役・大作少年も演じ、売れっ子になった。一方メフィストは、悪役で有名な吉田義夫(途中で潮健児に交代)が演じていた。鍵鼻にシルクハット。マントを背に、タキシードにつま先の曲がったブーツといういでたちで、「この人、何人?」って感じだが、けっこう迫力のある悪魔ではあった。
 水木作品はその後アニメの「ゲゲゲの鬼太郎」、それに続いて実写版の「河童の三平」とテレビに登場する。「河童の三平」の主役は金子吉延。同じような名前だが、光伸君と比べると愛嬌たっぷりのキャラクターで、この時既に映画「ワタリ」(白土三平原作)の主役や「仮面の忍者赤影」(奇遇?にも横山光輝原作)の青影役で人気者だった。
 「河童の三平」は、妖怪に拉致された母を尋ねて河童の国を、こちらも妖怪退治をしながら旅をするというストーリーで、けっこうおどろおどろしさを前面に出した作品だった。連れの河童を「〜赤影」で白影役だった牧冬吉が演じていた。牧は、「隠密剣士」をは
 河童の三平
じめさまざまな子供向けドラマに出演していて、脇役ながら主演俳優以上に子供にとってはヒーローだった。
 この2人の子役、おそらくほとんど私と同世代だと思う。しかし当時小学生だった私にとって、この2人はまぎれもなくスターだった。今はどうしているのか気になっていたが、金子光伸氏は10数年前に他界されたようである。とても寂しい想いがしてならない。安らかにと、ご冥福をお祈りするばかりである。
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