開襟シャツ&昭和エッセイ シュガ・プラム・フェアリ  
 
 エッセイ
  当サイトでは気ままに60年代以降の昭和の思い出をエッセイとして綴っています。記憶違いや思い込
 み、うろ覚えで書いたものもあります。ご理解いただいたうえ、お読みいただければと思います。また、
 このような性質のエッセイですので、記述に誤り等ございましたらBBSでご指摘いただけると幸いです。
  
 これまで「8マン」「鉄腕アトム」と、このコラムで取り上げてきた。となると、「鉄人28」についても触れないわけにはいかない。なにしろ「3大ロボット」キャラクターである。……とはいえ、アトムや8マンと鉄人は同じロボットではあるが、まったく趣が違う。鉄人は名前に「人」がついているにもかかわらず、人間的要素のまったくないロボットだからだ。ここが ソノシート 
原作の横山光輝の独創的な設定なのだと思う。
 主人公は正太郎という少年で、半ズボンをはいているところからするとたぶん小学生だ。が、なぜか探偵(?)なのだ。まあ、鉄人を作った、父である金田博士を失ってからの育ての親が警官(大塚署長)だったこともあるので、警察に協力する立場だというのはわかる。しかし、私の記憶が確かならば、子供のくせに余裕で自動車を運転していたし、ピストルだってぶっ放していた。これでは逆に警察に逮捕されてしまう! ……などと些細なことにこだわるのはやめよう。昭和30年代のマンガにはこのような荒唐無稽さがあったからこそ、子供たちはイマジネーションをかきたてられたのだから。
 で、この正太郎が父親から譲り受けたのが鉄人28号だ。鉄人は正太郎所有のリモコンで動く。なので、このリモコンを悪者(PX団など)に盗まれてしまうと、鉄人は一気に悪党になってしまい、「正義」にとってみるととんでもないことになるわけだ。ここが他の作品と違って、常に「ヒーロー=正義の味方」ではないという、子供向けマンガの常識的図式をぶち壊すアイディアだったわけである。だから、見ている子供(私)はときに鉄人を敵視することもあったし、リモコンの行方をハラハラドキドキしながら追ったわけだ。ニクイ演出である。同時に、鉄人はなんと無機質なヒーローだったんだろうと思うわけである。

鉄人28号  それにしても鉄人のデザインのすばらしさは、誰もが認めるところであろう(ライバルのブラック・オックスもよくできていた)。とんがり鼻にとさかのようなものがついた頭部、背中のロケット・タンクから腰のベルト状の装飾まで、どこをとっても魅力的なロボットだった。どこからインスピレーションを得てできたのか、とても興味深いが、もともと鉄人は戦争用のロボット兵士として作られた(子供の頃はこんなことはまったく知らなかったが、この時代、まだ戦争を引きずっていたのだと改めて思い知らされる)ことを考えると、頭のとさかはもしかすると中世の騎士の兜? あるいは侍のちょんまげだったのかもしれない(それはないか……)。
 そういえば鉄人28号も、実写版があったのをうっすらと覚えている(アトムも実写版があった)。人気マンガだったから制作されたのだろうが、アトムはアトムの配役自体に無理があったし、鉄人もなんとなく貧弱(なにしろ鉄人のくせに小さくて、原作の持つ貫禄や迫力がまったくなかった)で、あのすばらしいデザインが台無しだったような記憶が残っている。
 テレビ・アニメの主題歌に「グリコ、グリコ、グリコー」という、スポンサー名の連呼が入っていたのが、「フジ丸」や「シャボン玉ホリデー」と同じように印象的で、時代を反映していた。
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